横顔

 

 

 

 

 

カカシ先輩の横顔はとてもキレイだ。

勿論正面から見てもキレイだけど、思い出すのは横顔ばかり。

そりゃそうだ。

普段見るのは横顔ばかりなのだから。

ボクが立つ位置はカカシ先輩の隣か後ろか。

ほとんどその二つなのだから仕方ない。

ずっとカカシ先輩を見ていた。

後ろから。

隣から。

長い間、ずっと追いかけている。

どれだけ恋焦がれていても、カカシ先輩がボクを振り返ってくれることはない。

カカシ先輩は何時も遠くを見ているから。

もうこの世にはいないあの人を想って、ずっと遠くを見ている。

振り向いて欲しくて、名前を呼ぶ。

それでも、カカシ先輩は遠くを見たまま。

「テンゾウ、何?」

何処か遠くを見たままだ。

カカシ先輩・・・。

カカシ先輩・・・!

カカシ先輩っ!!!

ボクを見て。

今を見て。

そんな風に遠くばかり見ていないで。

こんなに傍に居るのに・・・。

あの人は永遠にカカシ先輩を手に入れたのだ。

きっと。

これからも、ずっと。

カカシ先輩がボクを見ることはない。

それでも、ボクはカカシ先輩の傍を離れない。

今日もボクを見てくれないカカシ先輩の隣に立つ。

せめてカカシ先輩の隣に立てるだけの人間でいよう。

カカシ先輩があの人を追わないように。

この先、振り返ってくれる日が来ることを願って。

それがたとえボクじゃなく、他の誰かでも。

そんな日が訪れることを願って。

今日もカカシ先輩の横顔を見詰め続ける。

 

 

 

 

 

 おわり

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以前Aさんに捧げたブツ。
初テンカカやってしまいましたv
実はこういう救いのない悲恋も好きだったりします。
でもでも、やっぱハッピーエンドが好きなので、そっちも作ってしまいました〜♪
ここからGO!

'09/12/6 葉月

 

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