最終電車 1
発車間際の最終電車に飛び乗り、少し前の車両へ移動する。
乗客は疎らで、酔っ払いのオヤジやらカップルやらが数人いるだけだ。
そんな中、前方の座席で窓に寄り掛かり、赤い顔をして眠りこけてる見知った顔を見つけた。
うみのイルカ。
同じ会社の人間だ。
―あらら。無防備に熟睡しちゃって。危ないねぇ・・・。
同じ会社のよしみだ。近くで見ててあげよう、と通路を挟んで横の座席に腰を下ろした。
・・・しかし酒くさい。少し距離があるのにここまで酒の匂いが届く。
一体どんだけ飲んだんだ、とか、鼻の傷まで赤くなって、とか思いながらチラチラ観察していると、「う・・・」と身じろぎした拍子に通勤鞄がイルカの手から離れた。
やれやれ、と拾い上げ、イルカの傍に移動した。
二人掛けの座席に大人の男が二人。
ちょっと窮屈だし、傍から見たら異様な光景かもしれないけど。
人も少ないしまぁいいかな。そう思ってカカシは腰を下ろした。
不規則な呼吸と、その度に吐き出される酒の匂い。
―大丈夫かなこの人。いきなり吐いたりしないかな。
心配になって隣を見た時、電車がカーブに差し掛かり、苦しそうに眉を顰めたイルカの頭がズルズルとカカシの肩に落ちた。
「ねぇ。大丈夫?」
苦しげな表情が気になって声を掛けてみたが、イルカからの返事はない。
肩に掛かるイルカの重み。
そろそろ人肌恋しくなる季節だ。
酒のせいで高くなった体温が妙に心地良かった。
咄嗟に押し戻そうかと手を上げたが、心地良さをもう少し味わっていたくて、そのままでふと窓の外を眺めた。
車窓から目に入ったのは、街の光がゆっくりと流れてとてもキレイな夜景。
いくつか駅を通過した車内に残っていたのは、カカシとイルカの二人だけ。
「・・・銀河鉄道って感じ?」
静まり返った車内で耳に入るのは、ガタンゴトンという列車の走る音と、すぐ傍から聞こえるイルカの不規則な呼吸の音だけだった。
ふふ、と小さく笑ってカカシは目を閉じた。
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リーマンカカイルですvパラレル〜いぇい♪
こないだ拍手用に書いてからリーマン熱が上がって×2〜!
ちょい続きそうやから他のをどうにかしてから!って思ってたけど、我慢出来ませんでした(笑)。
序章?って感じで短いですが・・・。
実はカカイルにハマって初めて妄想したのがこれだったりします。
ご覧頂きありがとうございました〜!
'06/7/28 葉月