瓶底先生 3
「・・・イルカ先生?」
瓶底の声がしてボケーっと見惚れている自分に気付いた。
ハッとして瓶底を見ると、眉尻を下げて不安気な表情でオレを見ていた。
うげっ!何見惚れてんだーーーオレ!
「や、うあ、し、失礼を・・・!カ、カカシ先生めちゃめちゃ男前ですね!思わず見惚れてしまいました!」
矢鱈小っ恥ずかしくて慌てて早口で捲くし立てる。
「何で隠すんですかー勿体無い!目も物凄くキレイですよ!気持ち悪いってどこが!?絶対モテるでしょ!はは!」
男相手に見惚れてしまったことが何だかすごく恥ずかしくって、照れ隠しにベラベラ賛辞を並べた。
瓶底はじっとオレを凝視した後、顔を真っ赤に染めた。
その後ゆっくり俯いてまたメソメソし始めて、
「から、かわないで下さい・・・。」
蚊の鳴くような小さな声で言った。
な、泣かせてしまった・・・!
俯いた瓶底は涙ぐんでいた。
よく泣くなぁこの人・・・ほんと子供みたい。あ、旋毛二つある。
なーんてまったりしてる場合ではなくっっ!!!
勘弁してくれー!オレが泣かせてるみたいじゃねぇかよー!
「カカシ先生泣かないで下さいよー!からかってるんじゃないですからっ!」
オレは狼狽えながら身を乗り出して、タオルで強引に瓶底の涙を拭ってやる。
ほんとにキレイな顔をしている。凄く美人だ。
涙を拭いてやりながらオレはまた瓶底に見惚れた。
「あぁ〜せっかくの男前が・・・。」
迂闊にもボソリと漏らしてしまって、それが耳に入った瓶底は更に赤くなった。
オレは我に返り、自分に突っ込んだ。
ちょーっと待てーーー!何だこの状況っっっ!
顔を真っ赤に染めて涙目の男と、涙を拭ってやりながらそれに見惚れる男。
男同士で何見詰め合っとるっ!
二人共動きは止まって、気まずい沈黙が流れた。
うぅぅ・・・泣きたい。
何かオレさっきからえらいカッコ悪い姿晒してないか?失態ばっかり・・・。
「・・・し、失礼しました。さっきからすみません・・・。」
「い、いえ。大丈夫です。あ、自分で拭けますから・・・。」
そう言って瓶底は赤い顔のままオレの手からタオルを取った。
「ちょっと早いけど・・・もう出ましょうか。カカシ先生早く風呂入りたくないですか?」
オレがビールを噴き掛けた所為できっとベタベタして気持ち悪いだろうし。
居た堪れなくなってそう提案すると、瓶底が一瞬悲しそうに表情を曇らせたので、
「や、今日は切り上げて後日仕直しということで・・・ビール噴き掛けたお詫びに奢っちゃいますから!」
慌てて付け加えた。
すると、キレイな顔をへにゃっと崩して嬉しそうに笑うので、オレも嬉しくなって笑った。
家に帰って風呂に入って、ビールの缶を傾けながら今日の出来事を思い返した。
職場からの帰り際に目に入った瓶底があまりにも沈んでいたからお節介で声を掛けて。
ついでに少し人となりでも探ってやろうと意気込んでたのに。
ビールを噴き掛けるし顔に見惚れて動転するし。
「挙動不審・・・何やってんだオレ・・・。」
トホホ、と一人肩を落とした。
カッコ悪いとこばっかり晒して恥ずかしくって、思い出したら落ち込んで来た。
励ましてやろうとしてたのに、嫌なところに触れて傷を抉ってしまったような・・・。
でも、帰ろうと言うと残念そうにした。
次を口にすると嬉しそうにした。
「・・・よっし!早く次の約束取り付けよう!」
今日は素顔を見れたという大きな収穫があった。
実は泣き虫だということも分かった。
今日の失敗は次で取り戻すぞ!
自分を盛り上げて立ち上がって、ふと思い出した。
「あっ!タオル渡したまんまだ・・・!」
あーと低く唸りながら頭をガリガリ掻いた。
↑「nauwe」の早良さんが瓶底を描いて下さりました〜v
やっほ〜い(≧▽≦)きゃわゆい〜vvv
「お好きに〜」ってお言葉頂いたので図々しくもこっちにも♪
また早良さんに羞恥プレイ(笑)ごめんねvえへvvv
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あわあわイルカ先生の巻(笑)。
そうそう。このお二人はカカシ先生1つ年上で20代前半くらいのつもりで作っちょります。
まぁ年齢なんて話しに別に関係ないんですが(笑)。
データブックの年齢より若い感じでv
結局イルカ先生の年齢は闘の書が正しいんですかねぇ・・・?
私的には年齢差1つがいいんだけどなぁ(^-^)
ご覧頂き、ありがとうございました!
'06/11/18 葉月