熱
「あ、・・・つ。イルカ先生・・・。どうしよ・・・すごく熱い。」
熱っぽく潤んだ瞳で見つめられる。
「したい。・・・してもいい?」
「・・・オレも、したいです。」
下肢に手を伸ばすと、そこはすでに熱を持ち、自ら起き上がっていた。
「あ・・・。イルカせんせ?」
「カカシ先生は寝てて下さい。体辛いでしょ?今日はオレが・・・。」
身に纏っているものをすべて脱ぎ捨て、布団の中へ入る。
カカシ先生の服もすべて脱がせ、熱を持ち、硬くなり始めたそれを口に含んだ。
口淫は初めてではなかった。だが、好む行為でもなく、自ら望んで動いたのは初めてだった。
そんなオレの行動に、カカシ先生は酷く狼狽した様子だった。
すべてこの熱の所為だ。
こんなに淫らな気分になるのも。
こんなにアナタが欲しくなるのも。
アナタの熱がうつった所為だ。
「イルカせんせ・・・そのままオレの顔跨いで。」
ハッハッ、と短い息を吐きながら、カカシ先生が囁いた。
オレの咥えたカカシ先生は、先端から甘い蜜を溢れさせ、硬く張り詰めていた。
言われるまま、咥えながらカカシ先生の顔を跨いだ。
早くこの熱を開放したかった。
早くカカシ先生の熱を解放してあげたかった。
早くカカシ先生の熱に酔いたかった。
「ん・・・ふ、あ。」
「すご・・・。イルカ先生、オレの咥えながら感じちゃった?」
先走りを先端に滲ませ、痛いくらいに張り詰めたオレを、カカシ先生の口腔内が犯す。
カカシ先生は嬉しそうにオレを隅隅まで舐め上げた。
汗を掻き、少し湿った指先と舌先で後ろに触れられ、オレはもう気が狂いそうなほど欲しいと思った。
「カカシ先生・・・もういいです。もう・・・。」
「もう少し、慣らさないと・・・。」
「早く・・・っ。は、あぁ。・・・早くっ。」
幾度となく開かされていたオレの体は、次に来る快楽を待ちきれず、奥の奥から蠢いていた。
早く。早くアナタの熱で貫いて。
アナタの熱で蕩けさせて。
「あ、・・・カカシせん、あぁっ!」
カカシ先生の腹に乗り、自ら腰を揺らす。
奥へ、もっと奥へと熱を求めて。
「・・・っ。イルカせんせ・・・好き、大好き。」
カカシ先生は、息を乱し、頬を紅潮させながら、この熱に酔っているようだった。
この人を酔わせているのはオレ。
そう思うと、オレの熱も止め処もなく上昇し続けた。
「も、ダメ、イルカ先生っ!」
余裕を無くしたカカシ先生に組み敷かれ、乱暴に熱をぶつけられる。
「ん、あぁっ!・・・触って、カカシ先生、触って・・・!」
カカシ先生の指に扱かれ、目の前が真っ白になる。
「あぁぁ・・・っ!」
「・・・っ!イルカ先生っ!」
ほぼ同時に達し、カカシ先生の熱がオレの奥へ流れ込むのを感じた。
「体、大丈夫ですか・・・?」
「あぁ・・・何か熱治まったかも。発散しちゃったのかな・・・。」
心地よい疲労感に浸りながら、夢と現の境で会話をする。
カカシ先生の体にも、オレの体にも、先刻までの熱はもう無かった。
夜の帷に包まれ、互いの体を絡ませ合い、このまま微睡むことにした。
後日。
どうやらインフルエンザだったらしく、案の定オレは一週間寝込んだ。カカシ先生は三日で完全復活したのに・・・。
熱だけでなく、咳、鼻水、寒気、関節痛、その他諸諸の症状でウンウン苦しみながら思ったことは、
―上忍ってすげぇ!
だった。
あんな状態のカカシ先生に盛るオレもオレだけど、それにバッチリ応えてくれたカカシ先生を心底尊敬した。
畏るべし、上忍の気力体力!
その完全復活した上忍様は、毎日甲斐甲斐しく看病に来てくれている。
おかゆを作ってくれたり、りんごを剥いてくれたり、水を飲ませてくれたり。
寝込んで気弱になってるもんだから、エプロンをつけてパタパタ動き回る銀髪が視界に入るだけで癒される。
オレにうつれー、なんて言いながらキスの雨を降らすカカシ先生に、
―あんたから貰ったのにうつるわけあるかい!
と心で毒づきながらも、可愛いなぁ、と顔が上気し頬が緩む。
カカシ先生がいると、別の熱が生まれてしまう。
熱に魘されながらも、オレはまた愛しさを募らせる。
おわり
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喧嘩の後のエッチって盛り上がるよな〜って思って書いてみたのですが・・・。
も〜〜〜めっちゃ恥ずかしかった!!!
エロシーンってこんなに恥ずかしかったのか・・・。
誤魔化しまくり。もう無理・・・(笑)。
てか、熱だけで寝込ませといてくれるんでしょか。
と、自分で突っ込み入れつつ(笑)。
最後までご覧頂き、ありがとうございました!
'06/1/26 葉月