不眠
今日も迎える眠れない夜。
布団に入って羊を数えても寝付けない。
大酒を喰らうも眠りは浅く。
仕方が無いので夜道を散歩する。
少し体を動かせば寝付けるかも。
体は睡眠を欲しているのに神経が昂って。
眠りたいのに眠れない。
暫く続くこんな夜。
流石に体力も限界。
泥の様に眠れたら・・・。
昨夜と同じ土手を歩く。
「今晩は。お散歩ですか?」
昨夜と同じ場所で男が声を掛ける。
「えぇ。今晩も眠れなくて。アナタも散歩ですか?」
ニッコリ笑って歩み寄ると、
「はい。就寝前のお散歩です。」
男もニッコリと笑った。
「そうですか。」
横に並んで歩を合わせる。
「こんなに長く続くと体が大変ですねぇ。」
苦笑いを浮かべて男が言うので、
「本当に。そろそろゆっくり眠りたいんですけど・・・。」
こちらも苦笑いで返す。
「私が寝付かせて差し上げあげましょうか?」
男が歩を止める。
生温い風が頬を撫でた。
あぁ、そうか。
この男だったんだ。
不眠が始まった夜。
何とは無しにこの土手に来た。
それから毎夜訪れるこの一時。
床に就いても胸を過るのはこの男。
神経が昂り、寝付ける筈もなかった。
結局毎夜この男と会う羽目になっている。
きっと本能では気付いていたんだ。
昂った気を静める為にこの男に会う必要があったのだと。
「オレ、不眠症みたいです。アナタが原因ですよ。」
―だから、責任取って下さい。
手を伸ばすと、男は緩慢な仕草でオレの手を取った。
おわり
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さぁ〜て、どっちがどっちでしょー♪
てか、これカカイルじゃなくてもいけますよね・・・(笑)。
私が不眠症の時期に風呂場でパッと浮かんだネタでした〜(^-^)
短かったので一旦日記にあげましたがちょびっと直してこっちに移動。
最後までご覧頂きありがとうございました〜!
'06/9/10 葉月