カカシ先生お誕生日記念小話でっスv
カカシ先生視点の方読んでなかったら意味不明かもしれません。
すみませんです・・・m(__)m

 

 

 

 

9/15

 

 

 

 

 

<イルカ>

 

 

 

目を開くと直ぐ前にカカシ先生の顔があった。

「カカっ!」

思わず大きな声を出してしまって焦って口元を押さえたが時既に遅し。

カカシ先生は小さく身じろぎをして目を開いた。

「おはよ、イルカ先生。起きた?」

長い腕に抱え込まれ、頬をすりすりと寄せられて、首から上が沸騰した。

「わーーー!カカシ先生!んな、ななな!?」

―何でこんなことに!!!

 

必死に昨夜の記憶の糸を手繰り寄せ、少しずつ出来事を思い返した。

昨日はカカシ先生の誕生日で、酒を飲んで、プレゼントにキスが欲しいと言われ・・・。

頬に、キスしたんだった。

 

 

 

 

 

9月15日の夕方。

受付にやって来たカカシ先生に夜の予定を聞かれた。

オレは面食らった。

そう。この日はカカシ先生の誕生日だったから。

もう誕生日が嬉しい歳でもないけれど、やっぱり一年に一度しかない記念の日。

きっと誰か特別な人と過ごすのだろうと思っていたから。

まさかオレに声を掛けてくれるとは思ってもなくて。

一瞬顔に血がのぼった。胸を過ぎったのは期待と喜び。そして小さな疑問。

―何でオレを?

何とか平常心を装って冷静に答えたつもりだったが、紅潮した頬に気付かれなかったかと心臓はバクバクいってた。

 

オレはカカシ先生が好きだった。

ナルトの担当になったカカシ先生と顔見知りになり、ナルトの様子を聞き出そうと飲みに連れ出して。

それが切っ掛けとなり頻繁にプライベートでも会うようになった。

たくさん話しをして、たくさんの時間を共に過ごして、少しずつ少しずつ惹かれていった。

カカシ先生は忍としてはもちろん、人間としても尊敬出来る人で。

この「好き」が恋心なのかはよく自分でも分かってなかった。

ただカカシ先生が好きで、カカシ先生と過ごす時間が好きで、もっと同じ時間を過ごしたいと思ってた。

そんな時ふとした切っ掛けでカカシ先生の誕生日を知って、喜ぶ顔が見たくて何か贈り物をしようと思った。

何を贈ろうか考えてるところに、任務先で立ち寄った酒屋でワインを見つけた。

丁度カカシ先生の生まれた年に作られたワインがあったのでこれに決めた。

中忍の懐には厳しい値段だったが、年に一回のことだ。張り切って買った。

これなら家で飲む時にでも持って行けば不自然じゃないし。押し付けがましくなくていいなと思って。

我ながら名案だ、とホクホクで里に戻った。

それから毎日家に帰るとその包みがあって、いつ渡せるかな、とかウキウキしながら考えてる自分がいて。

やっぱりそういう意味で好きなのかもって思い始めてた。

そして9月15日。

カカシ先生が受付にやって来た。

 

 

 

 

 

「プレゼントにイルカ先生のキスが欲しい、なぁ・・・なぁ〜んて。」

カカシ先生に髪を梳かれて、気持ちいーって夢見心地で身を任せていると、そんな声が耳に届いた。

キスが欲しい、と言われて。

あぁ、カカシ先生はオレのこと好きなのかな、ってボンヤリ思った。

じゃ、オレは?

って心の中で自問自答したら、

―触れたい。抱きしめたい。キスしたい。

直ぐに答えは返って来た。

やっぱりオレはそういう意味でカカシ先生を好きになってたんだって気が付いた。

眠りの波に揺らされいい気持ちでいると、「ほっぺでもいいんですけど・・・」とカカシ先生の遠慮がちな声が続いた。

カカシ先生が緊張しているのが伝わる。オレの返事を待ってる。

早く起きて返事しないと、おめでとうも言わないと、って気だけは焦って。

でもオレは眠くて眠くて。体は起き上がろうと頑張るんだけど、アルコールでトロトロになった脳は中中起きてくれなくて。

暫く眠気と格闘した後、何とか勝利したオレは起き上がって言った。

「・・・知ってました。」

 

 

 

 

 

「はは。イルカ先生真っ赤〜。」

カカシ先生がオレの頬を突いて言う。

そう言うカカシ先生の表情は、嬉しそうで少し照れ臭いような。そんな感じで幸せそうに見えた。

そんな表情を見せるものだからオレは更に照れてしまって、もっと赤くなったのが自分でも分かった。

「・・・イルカ先生。昨日のことちゃんと覚えてる?」

額と額をコツンと合わせてカカシ先生は言った。

無言で頷くと、嬉しそうに続ける。

「良かった。ねぇ・・・キスしてもいい?今度は唇に。」

カカシ先生はオレの返事を聞く前にキスを始めた。

瞼に、額に、頬に。

「好き。イルカ先生。ね、イルカ先生は?オレのこと好き?・・・好きだよね?」

キスの合間にカカシ先生の口から漏れる問い。少し不安そうに。

こんなこと好きでない人間に許すはずないのに。昨日と今日の態度で分かりそうなものなのに。

可愛い人だなと思った。

そう思うと愛しくて愛しくて、いつまでも唇に辿り着かないキスに焦れて、自分から唇を合わせにいった。

「カカシ先生、好きですよ。そんな不安そうな顔しないで・・・。」

角度を変えて何度も口付ける。

ちゅ、と音を立てて何度も何度も。

「嬉しい。すごく幸せ・・・。」

カカシ先生は頬を薄く染め、極上の笑顔を浮かべて言った。

キスを繰り返せばどんどん深いものになって。

互いの体温も上昇した。

「・・・ちょっと酒くさいね。昨日たくさん飲んだから。ごめんね。」

酒くさいのはお互い様。

そんなことより今はもっとキスが欲しくて。

返事もせずにカカシ先生の唇を貪っていると、

「イルカ先生。・・・酒くさいついでに汗くさくなることしてもいい?」

カカシ先生は目を細め、悪戯を思いついた子供のように嬉しそうに笑った。

 

 

 

 

 

 おわり

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9月も終わりかけですが・・・カカシ先生お誕生日おめでとーーーぅ(≧▽≦)
今回も少女マンガを目指してみました!あ〜尻が痒い(笑)。
汗くさい話しもあるんですがいちおここまでで終わり。
展示室に移動する時でも追加しようかな♪
拍手ありがとうございました〜〜〜!

'06/9/24 葉月

 

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